岩切太志さん(宮崎県立宮崎大宮高校、浪人生)、慶應義塾大学経済学部合格・進学
田中より
私文型の受験で慶応経済を受験する際の、日本史学習の徹底ぶりについて、リアルに書いてくれました。青地の部分は全ての論述が必要な受験生にとって、役立つアドバイスになっています。
Q1:「田中一平の論述オンライン添削(メール)」を申し込んだ理由をお書きください。
A:自分は慶應経済専願で日本史に多く時間を割くことができたため、論述問題を沢山解こうと思っていました。しかし、予備校では何問も添削して貰える訳ではありませんでした。また、他の人が質問していたりして、長く待ち時間が発生したりしていました。
このような悩みを抱えていたところ、田中先生の「24時間いつでも提出可能な添削受け放題のサービス」をTwitterで見つけました。どちらの悩みも解決できると思い、申し込みました。
Q2:指導を受けていて、よかった点を書いてください。
①:添削が早い
模試の結果が気になるのと同じように、自分が書いた答案に対してどのような添削が帰ってくるか、普通はできるだけ早く知りたいものです。田中先生は、基本的に提出したその日のうちに、遅くとも翌日には添削を返却してくださいました。数日後に添削を返却されても、答案を書いた時の感覚などは忘れてしまいます。早く添削して頂けたので、復習・やり直しをスムーズに行うことができました。
②:田中先生が事前に模範解答を作成しており、それに基づいて添削されるので指摘が鋭い
予備校などで論述問題の添削をお願いした際は、先生がその場で問題を見て、ある意味感覚的に添削されている感じを受けました。一方、田中先生は、事前に複数の教科書に基づいて答案を作成されています。 例えば、ある要素が抜けていた際には、「〇〇の教科書の〇〇ページのあたりを参照して答案を作り直してほしい」といった、具体的な指摘を受けました。また、他の人に比べて、添削は厳しめに感じました。
③:教科書の記述が重視された解説が手に入る
過去問の添削が一通り終わると、田中先生が作成した問題の解説がPDFで送られてきます。このPDFに、様々な教科書の該当箇所が書いてあります。自分は3社(山川・実教・東京書籍)の教科書を併用し、教科書学習を重視していたため、復習をスムーズに行うことができました。 また、資料読解を必要とする問題などに対しては、その解き方の手順などが詳しく記載されていました。さらに、「どこまで書ければ良いか」や、先生のその問題に対する感想などが記載されていることもあり、参考になりました。
Q3:受験生に向けて、アドバイスをお願いします。
A:自分の日本史論述の勉強法を書いておきたいと思います。自分も論述が最初全く書けず、またどのように対策すれば良いか分かりませんでしたが、試行錯誤する中で自分なりの対策方法を見つけることが出来ました。論述に取り組むにあたって知っておくべきだと思うことをいくつか書いておきたいと思います。
①:論述に必要な知識と用語記述・用語選択などに必要な知識は全く異なる
用語記述だけであれば、その用語の背景や定義、結果などをはっきり暗記していなくても解答できますが、論述ではそれを文章で表すことができないといけません。教科書などを使って、この背景などを「暗記」していかないと、論述が書けないのは当然だと思います。
②:「教科書範囲」とは、手持ちの教科書だけを示している訳ではない
教科書には、山川・実教・東京書籍など、様々な種類があります。当然、山川には載ってないけど実教には載っているという事項はたくさんあります。
ですので、ある単語が出てきた際にそれが手持ちの教科書に載っていないからといって、教科書範囲外と考えるべきではないと思います。私は3社の教科書を併用していました。無駄に思えるかもしれませんが、大抵の受験生は、教科書に加えて講義系の参考書を併用しています。講義系参考書を元に入試問題が作られていることは少ないですし、語り口調で読みづらいといった問題点もあります。様々な教科書を読むことで理解が深まることも多かったです。
③:教科書を中心に通史の理解を重視しつつ、できるだけ多くの論述問題に触れる
日本史の用語を完璧にしたいなら、一問一答や用語集を使って暗記すれば良いというのは誰でも考え付くと思いますが、論述問題となると論述問題集を買っても、例えば江戸時代なら20問くらいしか載っていなく、この20問を完璧にした所で論述が書けるようになる気はしないと思います。では、どうすれば良いのでしょうか。
まず、把握して欲しいこととして、「論述問題にも、『簡単』なものや『難しい』ものがある」ということです。用語記述であれば、例えば「岩倉使節団の副使に木戸孝允や大久保利通がいる」ことは基本事項であるが、「山口尚芳という人物も副使として参加していた」ということは、少し細かい知識であると、一問一答や用語集に書いてある重要度合いのマークなどを見れば、見分けが付くと思います。
これと同じように、論述にも実は「頻出」があるのですが、残念ながらそれをすぐに知ることは出来ません。それを把握するために私が行ったことは、論述問題集や色々な大学の過去問に片っ端から目を通すということです。
自分は、論述問題集20冊以上、一橋の予想問題集30年相当、色々な大学の過去問15年~30年分(一橋・慶應経済・都立大・新潟大・北大・九大・福井大・名古屋大など)の慶應経済の範囲(安土・桃山以降)を解いたり、最低限目を通しました。
そんな量をこなすことはできないと思うかもしれませんが、全然余裕です。なぜなら、最初の方は知らない問題ばかりで大変かもしれませんが、後半になるにつれてたくさん同じ問題が出てくるので、覚えることが少なくなるからです。英単語暗記を例にするとわかりやすいと思います。例えば、初めての単語帳としてターゲット1400を暗記しようとすると、ほとんど知らない単語ばかりで、1300個くらいは新しい単語を覚える必要があると思います。しかし、この1冊を完璧にすると、次にターゲット1900を暗記する時は半分位は知っている状態となり、新たに覚える必要がある単語は1000個くらいだと思います。ここまで頑張れば、次システム英単語をやる時には8割位の単語は既に知っているため、残りの2割だけ新しく覚えれば良いことになります。これと同じように、日本史論述問題集を「網羅度が低い英単語帳」と思って進めていくと良いと思います。自分の場合は慶應経済に絞っていて、日本史ばかり勉強していた上に古代・中世をやる必要もなかったため、なおさら余裕でした。
このように勉強していくと、「どの問題集にも載っている問題」「3~4冊に1回くらい出てくる問題」「ある問題集にのみ載っている問題」というように、ジャンル分け出来るとおもいます。このジャンルは
どの問題集にも載っている問題(金銀比価問題・地租改正など)→簡単
3~4冊に1回載っている問題→普通
ある問題集にのみ載っている問題→難しい
と言い換えることができます。
あとは、たくさんの問題に触れることで、自分の中での当たり前のレベルを上げる(=普通・難しいレベルの問題にも何回も触れる)ことをしていけば良いと思います。そして、本番で解いた問題の解答を書けるように暗記・復習していきます。
簡単・基本問題→周りは皆書いてくるが、答案の質で勝負(満点を目指す)
難しい問題→周りは白紙とかが多いが、自分は8割~満点近くの答案を書く
ということをしていけば、かなり差がつくと思います。
慶應経済の日本史論述は教科書ベースで作られているので、作問には限界があります。ですので、このように色々な問題に触れれば、ほとんどは同じような問題が出てきて対応できます。ここまでやっても、どうしても初見の問題は出てきます。それに対しては、普段から教科書の読み込みを行い、教科書の記述を想起することで対応するしかないと思います。
しかし、やみくもに暗記すれば良い訳ではなく、歴史が理解出来ていないと、必ず学力の伸びに限界が来ます。ですので、論述ばかり取り組むのではなく、通史をまずは重視して歴史を理解することに重点をおくべきです。自分は夏前まで通史が不十分だったにも関わらず論述ばかり勉強していたので、なかなか伸びませんでした。
Q4:その他、自由にお書きください。
A:自分は田中先生のYouTube動画も活用させて頂いたので、その良かった点に書いていきたいと思います。
①:先生の授業動画を見たあとに教科書の記述を読むと、教科書がよく理解出来るようになる
先生の授業では、独学では絶対に気づくことができないような歴史の繋がりを知ることができました。また、自分が理解したつもりの事項であっても、先生の説明を聞くと、自分は全く理解できていなかったのだと痛感することがよくありました。教科書をやみくもに読むだけでなく、授業を聞いたり、様々な参考書を読んだり、問題を解くことが教科書の理解を深めるには大切だと思いました。
②:概要欄にその範囲の過去に出題された論述の大学・年度が書いてある
ある特定の範囲についての論述問題を探すのは、普通は不可能です。しかし、田中先生のYouTubeの概要欄で、その動画で扱った範囲から出題された論述問題の過去問が分かります。自分は、「ここの範囲の論述問題は見たことがないな」と思った時などに、概要欄に書いてある大学の過去問を参照し、こういう問題が出てくるのか、と確認していました。 論述対策に慣れていない人は、「田中先生の授業動画1本をとりあえず見る→復習する→概要欄を見てその論述問題を解いてみる」ということをしてみると、論述の勘を掴むことができると思います。
自分は春先から先生のYouTubeの存在は知っていたのですが、動画が少し長かったので見ていませんでした。しかし、戦後史を10月にやり直そうとした際に田中先生のYouTubeの授業動画を何本か見たところ非常に分かりやすかったので、最終的には慶應経済の範囲全て見ました。
もう少し早く見始めて、何回も動画を繰り返し見たかったなと思います。また、ノートを取るのが大変だったので、レジュメが欲しかったとも思います。先生の通史講座に入った方が良いと思います※。
※…田中の授業のレジュメはオンラインLive講座受講生のみが入手することができます。