北大日本史対策


 北海道大学は文学部の2次試験で日本史を実施する(数学との選択)。北大文学部は2次試験における英・国・社(数)の比率が1:1:1のため社会(日本史・世界史・地理から1科目選択)の対策が軽視できない。また、共通テストと2次試験の比率が2:3であり、共通テストの比率が国立大学の中では比較的高い。

 主な出題形式は用語記述、短文記述(字数指定なし)、論述問題(字数指定あり)の3つである。全問題数は50~60問で、うち15問弱が短文記述と論述問題。論述問題の字数は600字前後である。

 対策を進める際は、まず、基礎点として用語記述でほぼ満点を目指したい。そのために、センター試験の過去問演習で90~95%をとれるよう、鈴木和裕『時代と流れで覚える!日本史B用語』(文英堂)を消化することを心がけたい。そのうえで、論述対策を進めたい。

 論述問題は用語説明・因果説明・経過説明・北大特有の思考力・発想力を問う問題・未見史料を読み取り考える問題の5題が中心である。用語説明問題の多くは旧センター試験もしくはマーチレベルで、字数も多くない(10~40字)ため、点数を落とさずにいきたい。因果説明問題(理由や結果・影響を説明する問題)も分量はそれなりではある(30~60字)が、基本的に難易度は高くない。用語記述を完答し、この2パターンの論述問題で得点が取れれば、日本史において、後れを取ることはないだろう。

 

 一方、経過説明では他の国公立大学と同様に理解を伴った学習を確認するような問題が出題され、他に北大特有の思考力・発想力を問う問題、与えられた史料に基づいて、答案を作成する問題が出題される(余談だが、指導者にとって、北大の問題は作問のヒントになる良問が多い)。これらの問題の出来が日本史における得点の差につながる。これらの問題は過去問を利用して慣れるとともに、信頼できる指導者に添削指導を仰ぎたい。 

 過去問演習で意識したいのはスピードである。全体で50~60問の問題をこなし、かつ、その中に論述問題合計600字前後あるため、90分という時間は十分とは言えない。用語記述や短文記述を手早く終え、論述問題もある程度のスピード感をもってこなしたい。

 北大は山川『詳説日本史』の記述を踏まえて、作問をしているため、山川『詳説日本史』を読み込むことが論述問題の有効な対策となるだろう。


 答案例としては赤本、青本を参照するとよいでしょう。

 以下に示した答案例は、田中が独自に作成したものです。受験生が北大日本史に取り組むにあたって、答案例の1つとして参考にしてもらえればと思います。

 受験日本史の指導者の方にも参考にしていただければ幸いです。北大受験生を指導するにあたって、複数の答案例に触れながら、考えることは重要と考えます。答案例を使用の際は田中一平が作成した答案例であることを明記して、ご使用ください


更新履歴

 2024年3月26日、2024年の答案例を公開しました。


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