東京外語大日本史は、一問一答の用語記述が14問・70点(1問・5点)と論述問題2問・30点から構成される。論述問題は400字が一題(20点)と100字が一題(10点)である。出題の中心は近現代で、論述問題においても近現代が中心である。
対策を進める際は、まず、基礎点として用語記述で50~55点を目指したい。そのために、センター試験の過去問演習で85%をとれるよう、鈴木和裕『時代と流れで覚える!日本史B用語』(文英堂)を消化することを心がけたい。そのうえで、論述対策を進めたい。特に400字論述は対策が遅れると、致命傷になる。英語を盤石にしたうえで、秋以降、地歴の論述対策を進めたい。参照する教材としては山川『詳説日本史』があればよいでしょう。
400字論述は①:推移・変化型、②:文章読み取り型の大きく2パターンがあり、今後、②のパターンの出題が増加すると考えられます。②は近年の入試改革の動向を踏まえた良問ですが、受験生には一人で対策するのが難しいタイプの問題です。過去問を使いながら、力量のある指導者に添削指導を依頼しましょう。
以下に示した答案例は、田中が独自に作成したものです。東京外語大の日本史は赤本ぐらいしか、受験生が参照できる答案例がありません。受験生が東京外語大日本史に取り組むにあたって、答案例の1つとして参考にしてもらえればと思います。
受験日本史の指導者の方にも参考にしていただければ幸いです。東京外語大受験生を指導するにあたって、複数の答案例に触れながら、考えることは重要と考えます。答案例を使用の際は田中一平が作成した答案例であることを明記して、ご使用ください。
更新履歴
2022年3月21日、2022年の答案例を公開しました。
東京外語大日本史論述答案例
年度 | 400字論述 | 100字論述 |
2022年 | 江戸時代の米価変動が人々の生活に与えた影響 | 吉田茂とサンフランシスコ講和条約調印 |
2021年 | 近代日本における紡績業の発展 | 新井白石の経済政策 |
2020年 | 日米のアジア太平洋戦争を正当化する見方について | 近代日本における疫病に対する人々の意識の変化 |
2019年 | 戦後の日中・米中関係の推移 | 幕末期におけるロシア船来航の目的と日露和親条約締結に至る経過 |
2018年 | 近世初頭のキリスト教宣教師の活動と織豊政権の対応 | 明治初期の日朝関係 |
2017年 | 近代日本における鉄鋼業を中心とする重工業の発展 | 寛政の改革の都市政策・農村復興策 |
2016年 | 女性解放運動と女性参詣権獲得に至るまでの経緯 | 後期水戸学の特徴と影響 |
2015年 | 第1次世界大戦後からアジア太平洋戦争開戦にいたるまでの中国をめぐる日米関係 | 北山文化の特徴 |
なお、東京外語大日本史は2014年以前は実施されていないため、答案例はありません。